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  • 2023/10/11

外国為替証拠金取引(FX)とは?

FXはForeign Exchange(外国為替)の略語で、一国の通貨を別国の通貨に交換する行為を指します。例えば、日本円を米ドルに換えるケースがこれに該当します。日本では、この取引形式は「外国為替証拠金取引」とも称され、取引額の一部だけを証拠金として預けることで外国為替取引が可能になるのが特徴です。この方式は、「レバレッジ効果」を生むことから、少ない資本で大きな取引が行えるのが魅力となっています。レバレッジ効果の詳細は後述します。

また、FXは金融商品取引法に基づき保護される金融商品であり、金融庁の厳格な審査を通過し登録された業者のみがFXサービスを提供することが許されています。

FXの仕組み

投資初心者の方々はしばしば「FXは難しい」と感じるかもしれませんが、実際は世界各国の通貨を交換する点では、海外旅行時に外貨両替を行うのと基本は同じです。為替レートが期待した方向に動いたタイミングで通貨を再交換することにより、「為替差益」という利益を得ることができます。FX取引は通貨の売買を行い、その価格差から利益を得ることを目的としており、このような取引を「差金決済」と言います。

FXの基本的な目的は、外貨の売買を通じて差益を得ることです。海外旅行の例を挙げると、出発時に外貨を購入し、帰国後に円に再交換する際、為替レートの変動により得られる円の量が異なります。円安が進んでいれば、多くの円が戻ってくる一方、円高が進んでいれば、戻ってくる円の量は減少します。

FX取引でも同様に、為替レートの変動によって利益が得られます。例として、1ドル=100円のレートで10万円を1,000ドルに交換し、後に1ドル=110円のレートで再度円に交換するケースを考えてみます。

このケースでは、為替レートの変動により、1,000ドルが11万円になり、1万円の「為替差益」が発生します。これがFX取引での為替差益の仕組みです。

FX取引では通常、「通貨ペア」として2カ国の通貨をセットで取引します。例えば、「米ドルと日本円」や「ユーロと日本円」などが通貨ペアとして取引されます。

FX取引で得る利益の種類

FX取引における利益は主に2種類に分類されます。一つ目は「為替差益」、または「キャピタルゲイン」とも呼ばれます。これは為替レートが低い時に通貨を購入し、高い時に売却することで生じる利益です。

例えば、1ドルを100円で購入し、その後1ドルが90円になった時に売却すると10円分の為替差損が生じます。一方で、1ドルが110円になった時に売却すると10円分の為替差益が得られます。

二つ目は「スワップ収益」または「インカムゲイン」と呼ばれます。これは金利差によって得られる利益で、低金利の国の通貨を売り、高金利の国の通貨を買うことで生じます。

例として、A国の金利が10%、B国の金利が1%の通貨ペアを考えます。B国の低金利通貨を売り、A国の高金利通貨を購入すると、金利差の9%が収益となります。為替レートの変動は関係なく、高金利通貨を保有することで日々スワップ収益が発生します。

ただし、高金利の国の通貨を売り、低金利の国の通貨を購入すると、日々のスワップポイントの支払いが発生するので注意が必要です。

例えば、高金利のトルコリラ(金利8.25%)から低金利の日本円(金利0.1%)を引いた8.15%が金利差となります。この金利差によってスワップポイントが得られます。スワップポイントの日毎の収益は、取引を行うFX会社によって異なるため、具体的な額は各FX会社に確認することが重要です。

FXの「レバレッジ」とは?

FXでは「レバレッジ」という仕組みを利用することで、少ない資金で大きな取引を行うことが可能です。このレバレッジ効果はFXの大きな魅力の一つとされています。

例えば、1ドル=100円の際に1,000ドルを購入する場合、通常は10万円が必要となります。しかし、FX取引では25分の1の金額、すなわち4,000円から取引を開始することができます。

これにより、10万円の資金で25,000ドルを購入することが可能となり、為替差益やスワップポイントが生じた際の収益も大きく増加します。レバレッジ効果がなく、手数料が高い外貨預金と比較すると、FXは資金効率が高く投資することができます。

また、FXには他にも利点があります。例えば、価格が下落しても利益を得るチャンスがあり、外貨預金などの他の金融商品に比べて取引コストが非常に低いという特徴があります。

FXの取引可能な時間帯について

FXはグローバルなマーケットで取引されるため、平日は土日やメンテナンス時間を除いてほぼ24時間取引が可能です。各市場の特徴は以下のようになります。

ウェリントン市場: 日本時間の朝7時に、前日の夜に取引が行われていたニューヨーク市場がクローズし、新しい1日の取引がウェリントン市場で開始されます。この市場は1日の取引のスタートを切る市場であり、ニューヨーク市場のクローズ後に始まるため、参加者が比較的少ない時間帯となります。

東京市場: 東京市場は日経平均や企業の実需取引を意識した取引が行われます。主な取引時間は東京市場の仲値が決まる日本時間の午前9時55分前後で、株式市場が後場に入る12:30以降は為替取引の活動が落ち着き、値動きが小さくなります。

ロンドン市場: FX取引は24時間行われますが、東京市場からロンドン市場へと移るこの時間帯には強いトレンドが発生しやすく、取引量も増えます。特に欧州系通貨ペアの変動が活発になることが特徴で、東京市場の時間帯とは逆の値動きが見られることもあります。

NY市場: 日本時間の21時(冬時間は22時)にNY市場が開始し、この時間帯は経済指標の発表や、世界最大の市場であるNYダウ、債券、商品、金利などが動きやすい時間帯となります。市場のボラティリティが高く、多くの要因が相場を動かすため、取引を行う際には何を注視するべきかが難しくなることもあります。他の市場と比べて取引の難易度が少し高いと感じるかもしれません。

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